最新ニュース

住宅ローンについて詳しく知っていますか?第3回

2022/1/25

日本の不動産プチ知識

第3回目となる今回は、「④審査とは?」について書かせていただきます。

◆4.審査とは?

自宅を購入する際に住宅ローンを利用しようとするなら、まずは住宅ローンを提供する金融機関の審査を受けなければなりません。

金融機関は債務者となる購入者を厳しく審査することで、将来の貸し倒れリスクなどを減らし、債券回収がきちんと見込める人にしか融資をしません。

金融機関による住宅ローン審査は、大きく2つのポイントに絞られます。

それは、「購入する不動産の担保力」と「ローンを申し込む人(債務者)の返済力」です。

これら2つのポイントについて以下でご説明します。

  • 【4-(1).購入する不動産の担保力】

「購入する不動産の担保力」とは、対象不動産の評価額を算出し、将来的に不動産がいくらで売却出来るかを審査します。

金融機関は、将来返済が滞った場合には対象不動産を売却して資金回収するため、独自の評価方法により対象不動産を評価します。

ただしこれは、対象不動産の土地面積、専有面積、間取りや立地が一般的なもので、購入価格が市場の取引事例から見ても適正であるのであれば、そんなに問題にはならないかと思います。

他にも極端に狭い(例えば20㎡前後のワンルームマンションなど)物件などの場合、自己の居住用としてではなく投資用とみなされてしまい、住宅ローンは利用できないケースがほとんどでしょう。

  • 【4-(2).ローンを申し込む人(債務者)の返済力】

「ローンを申し込む人(債務者)の返済力」とは、その人の信用力と言い換えることができ、審査のうえで最も重要なポイントとなります。

信用力を審査するうえで、考慮される項目は以下のものなどがあります。

  ① 個人信用情報

金融機関などは、ローン申し込みを受けた場合まずその人の個人信用情報を機関に照会します。

個人信用情報機関は「CIC」、「JICC」、「KSC」があり、それぞれ登録されている情報が異なりますが、ここで過去の支払い遅延状況(常態的か一時的かなど)や大きな金融事故(借入金の長期延滞や自己破産、債務整理など)の有無を調べられます。

ここで何かしらの問題があれば、事前審査にも通らない結果となり、住宅ローンの借入は難しくなります。

  ② 完済時、借入時の年齢

多くの金融機関は、完済時年齢を79歳や80歳を上限としており、借入期間上限の35年でローンを組もうとする場合、44歳~45歳が目安となります。

  ③ 勤続年数

  ④ 年収

  ⑤ 雇用形態

これらは、申し込みをした人の勤務状況からその人に返済能力があるかどうかを審査します。

会社員として企業に勤続年数が長い人は、35年という長期間のローンを返済するための長期間の安定収入があるとみなされるため、金融機関によっては勤続2年以上などという条件を設けて、転職後すぐだと住宅ローンを組めないケースもあります。

一方で、月の給与明細(最低でも3ヶ月分の実績が必要なケースが多い)を提出することで12カ月分の見込み年収を算出し、審査をする金融機関もあります。

ただし、例えば年2回の賞与がある企業の場合、月の給与×12カ月で算出される見込み年収には未受領の賞与は含まれず、実際の年収よりも低い見込み年収で借入可能金額や返済比率が算出されます。そのため実際に希望する金額が借りられない可能性があります。

また、個人事業主や会社役員、経営者などは安定収入の確認のため、会社の決算報告書や本人の確定申告書などを数年分提出したうえで、今後の事業計画についての説明を求められるケースがあります。

ですので、求められた年数分の決算書が用意出来ないような起業後間もない経営者や個人事業主は、金融機関によっては住宅ローンを借りられないケースも多々あります。

  ⑥ 返済負担率(返済比率)

これについては、前回のコラム(2回目:あなたの借入可能な限度額はいくら?)で説明したとおり、年収から算出された返済負担率(返済比率)を基に融資額が妥当かどうか審査されます。

  ⑦ 健康状態

住宅ローンを借りる際、多くの金融機関は団体信用生命保険(団信)の加入を必須条件としており、ローンの本審査申し込み時に団信加入か係わる告知書を提出します。

告知書の内容や、場合によって提出される診断書などを基に、一般団信(死亡保障のみ)や疾病保障付団信(3大疾病や生活習慣病など)、ワイド団信(健康上の理由で一般団信に加入できない人向けに、金利を上乗せすることで引受基準が緩和される団信)など加入できる団信の種類や条件が審査されます。

【4-(3).まとめ】

金融機関に住宅ローンを申し込む際には、まずご自身の個人信用情報や勤務状況、年収、健康状態などを正しく把握しましょう。

また会社員の場合、勤務先が上場企業か未上場企業かもポイントとなる場合があります。

ご自身の過去に大きな金融事故がなければ、まずはネット銀行などで住宅ローンの事前審査を申し込んでみましょう。

自身の収入に見合っていない高額なローン申し込みや、何かしらの不備がない限りはポジティブな審査結果が出るはずですし、まずは融資の事前承認を得てから不動産購入申し込みをすることが一般的です。

不動産購入申し込み後、1週間ほどで売買契約、契約後希望する金融機関にて住宅ローンの審査申し込みを行います。

事前審査を行ったからと言って必ずその金融機関で借りなければならないということはありませんのでご安心ください。

また、住宅ローンという商品は様々な金融機関が扱っており、それぞれに特徴があるため、よく調べ有識者に相談のうえしっかりと検討されることをお勧めいたします。

以上、第3回目住宅ローンコラムとして簡単にまとめさせていただきましたが、気になることやさらに詳しくお聞きになりたい方がいらっしゃいましたら、お問い合わせフォームよりお問い合わせくださいませ。

第4回目コラムも、乞うご期待ください。

引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。